【技術解説】カーボンニュートラルに向けたCAE解析の最前線と最適化手法
みなさんこんにちは、アプライド広域システム営業部です。
カーボンニュートラル(環境負荷の低減)と一言で言ってもなかなかピンとこない方も多いのではないでしょうか?
「2050年までに温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロにする」
この目標を政府が掲げたのは2020年10月のことでした。
この目標達成に向けて、日々、様々な課題に直面していらっしゃるのは、製造業の研究・開発部門に従事されている方々です。
その現場で使われているCAE(Computer Aided Engineering:計算機援用工学)が、今まさに単なる「効率化のツール」から「不可欠なサステナブル戦略」へと進化を遂げているのです。
なぜ、シミュレーション技術が地球を救う鍵になるのか?
今回は「カーボンニュートラルとCAEの力」をテーマに、その深い関係性を紐解いてみようと思います!

そもそも、なぜカーボンニュートラルにCAEが必要なのか?
従来のモノづくりでは、次のようなプロセスが一般的でした。
1. 設計する
2.試作車や試作部品を実際に作る(材料・エネルギーの消費)
3.実験・破壊テストを行う(廃棄物の発生)
4.問題があれば1に戻る
この「作っては壊す」リアルな試作サイクルは、残念ながら多くの資源、電気、そして輸送エネルギーを消費することになります。
ここで活躍するのがCAEの技術です!
PC上の仮想空間(デジタルツイン)で高精度なシミュレーションを行うことで、試作の回数を劇的に減らしたり、ゼロにすることも可能になります!
つまり、「モノを作らないことによる、直接的なCO2削減」が実現するのです!

カーボンニュートラルに貢献するCAEの「4つのアプローチ」
CAEの力は、試作削減だけにとどまりません。製品のライフサイクル全体でCO2を減らすための強力な武器になります。
① 徹底的な「軽量化」による燃費・電費の向上
自動車や航空機などの輸送機器では、重量が軽くなるほど走行・飛行時のエネルギー(CO2)を削減できます。
CAEのトポロジー最適化(構造最適化)技術を使えば、「強度を保ったまま、極限まで肉抜きされたデザイン」をコンピューターが自動計算してくれます。

② 新エネルギー(EV・水素)の開発加速
EV(電気自動車)の普及には、バッテリーの熱管理(発熱による劣化や火災の防止)が最重要課題です。
また、水素燃料電池の開発には、複雑な化学反応と流体の制御が欠かせません。
これらは目に見えない現象ですが、熱流体解析(CFD)や電磁界解析を用いることで、最適な冷却構造や反応効率を短期間で設計できます。
③ 製造工程そのものの省エネ化
製品だけでなく、それを「作る工場」のCO2も減らす必要があります。
例えば、金属を溶かして型に流し込む「鋳造」や、樹脂を固める「射出成形」のプロセスをCAEでシミュレーションすれば、
金型の温度管理を最適化し、工場の消費電力を大幅に抑えることができます。
不良品率を減らすことも、そのまま資源の節約につながります。
④ リサイクル材料・植物由来材料の活用
カーボンニュートラルに向けて、従来のプラスチックからリサイクル素材やバイオマス素材への転換が進んでいます。
しかし、これらの新素材は「強度のばらつき」や「成形の難しさ」という弱点があります。
CAEで素材のミクロな挙動を予測(マルチスケール解析)することで、新素材特有の扱いづらさをカバーし、安全な製品設計をサポートします。
まとめ
CAEはかつて、「開発期間を短くする」「コストを削る」という経済的な目的で使われてきました。
しかし現在、その目的は「地球環境を守りながら、イノベーションを起こす」という社会的価値へとシフトしています。
バーチャル空間での緻密な計算(CAE)が、リアルな地球の未来を明るく変えていく。これからのモノづくりにおいて、CAEの重要性は増すばかりです。

そんな各CAEソフトに最適なハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)に関しましては、アプライドが非常に得意とするところです。
例えば、必要な強度を保ちながら、不要な肉抜きや最適な形状を自動探索(トポロジー最適化)することができる
Ansys Mechanicalに最適な機種をご用意しております。
さらに、次世代エネルギー技術や排出ガス削減プロセスの最適化を行い、排出ガスの抑制や次世代エネルギー技術の設計ができる
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ぜひHPCの仕様作りに関しましては、アプライドへお気軽にお問い合わせ下さい。

