【次世代シミュレーション】放射線輸送コード「OpenMC」とは?
レガシーコードの壁と「OpenMC」の登場

原子力開発や放射線物理の分野では、長年にわたりMCNPなどの既存コードが
シミュレーションの主流として利用されてきました。
しかしながら、こういったレガシーコードには輸出管理対象として
安全保障上の厳しい規制が課せられていたため、研究者が利用手続きを
行ったり、国外へ持ち出したりすることが非常に厳しいという課題がありました。
また、従来のツールは古いテキストベースの入力ファイルや、複雑なCSG(構成的固体幾何学)による
手動の形状定義を必要としていたため、使いやすさの面でも大きなハードルがありました。
そこで、2011年にマサチューセッツ工科大学(MIT)の計算炉物理グループが、
将来の高性能なHPC時代を見据えて、初期開発を開始したのがオープンソースの「OpenMC」なのです。
OpenMCがもたらす3つの特徴と技術的革新ポイント

1.完全なオープンソースライセンス
OpenMCは、MITライセンスと呼ばれる、誰でも無償で自由にソフトウェアの利用や改変、
商用利用ができる、非常に制限が緩やかなオープンソースソフトウェアになっています。
そのため、世界中の研究者や開発者コミュニティが制約なく即座にアクセスし、
国境を越えて自由に、透明性の高い共同開発を行うことが可能になりました!
2.高精度なモンテカルロ法の採用
空間をグリッドで区切る「決定論的手法」のような離散化近似を行わず、
中性子や光子の輸送を粒子1つひとつの単位で正確に追跡します。
これにより、複雑な3次元構造であっても近似なしで高精度にモデル化することができます。
3.モダンな開発環境とスピードの融合
操作画面には、シンプルな文法と豊富なライブラリにより、開発効率を大幅に向上させられるPython APIを採用し、
モデル構築、実行、プロット、データ解析を直感的に完結できます。
一方で、コアの計算エンジンはC/C++で実装されており、極限まで最適化された高速処理を実現しています。
導入業界・主な適用分野
OpenMCは、原子力・エネルギー業界およびそれらに関連する先端技術開発を行うスタートアップや民間企業、研究機関に導入されています。
・次世代原子炉(核分裂)開発スタートアップ・企業
物理的な試作が難しく規制の厳しい原子力業界において、開発リスクを下げるための予測モデリングツールとして利用。
・医療機器業界
高度化する放射線治療や診断において、粒子(中性子や光子など)の挙動をきわめて正確にシミュレーションすることが可能。
・宇宙開発業界
複雑な宇宙環境における中性子および光子(放射線)の挙動を高精度かつ効率的に予測可能。

まとめ
OpenMCは単なるシミュレーションツールにとどまりません。
高精度な計算能力、モダンなソフトウェア画面、そして世界的に研究者が協力することで、
次世代の原子力開発のあり方そのものを再定義しています。
アプライドでもOpenMCに最適なHPCをご用意可能です。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
モンテカルロ粒子輸送解析ソフト「OpenMC」動作用PC – アプライド 製造業向けDXソリューション | アプライド 製造業向けDXソリューション
本記事でお伝えした内容に加え、関連するテーマを1冊にまとめたホワイトペーパーをご用意しました。
以下のボタンより、現場ですぐに使えるノウハウをお受け取りください。
本記事でお伝えした内容に加え、関連するテーマを1冊にまとめたホワイトペーパーをご用意しました。
以下のボタンより、現場ですぐに使えるノウハウをお受け取りください。