【展示会レポート】実空間とAIが交差する最前線!「フィジカルAI展」で見たロボティクスの進化
皆さんこんにちは!アプライド広域システム営業部です。
2026年7月2日、東京ビッグサイトにて開催中の「モノづくりワールド フィジカルAI展」へ視察に行ってまいりました。
生成AIや強化学習の進化がデジタルの世界を飛び出し、現実世界(フィジカル)のロボットをどう賢く動かすのか。今回の展示会は、まさに次世代のモノづくりやR&D(研究開発)の自動化を予感させる、非常に熱気のある空間でした。現場で特に目を引いた最新トレンドをレポートします!



1. カメラレスで実現する驚異の「力加減」。ポテトチップスを割らずに掴む革新技術
まず多くの来場者が足を止めていたのが、あるブースで展示されていた極めて繊細な把持(はじ)技術のデモンストレーションです。
従来のロボットアームで対象物を正確に掴むには、カメラやレーザーで位置や形状を認識させるのが一般的でした。しかし、スナック菓子のように「形状が不揃いで割れやすいもの」を扱うには、複雑な画像処理や精緻なAIプログラムが必要となり、導入のハードルが高いという課題がありました。
ところが会場では、コンベア上を流れるポテトチップスを、最新のロボットフィンガーが絶妙な力具合で次々と掴み上げるという神業が披露されていました。驚くべきは、この精密なハンドリングが「カメラや外部センサ無し」で実現されているという事実です。


その秘密は、ロボットの指先(フィンガー)そのものにありました。柔らかい樹脂製フィンガーの表面にタッチセンサやひずみゲージなどのセンサ機能が直接カスタマイズして組み込まれています。そのため、フィンガーがワークに触れた瞬間に自発的に対象物の位置や反発力を認識し、「ワークの変形・破損を防ぐ最適な把持力」で優しくホールドしてくれるのです。ロボット本体側は「開く・閉じる」という単純なプログラミングを行うだけで済むため、高価なカメラ設備や複雑なティーチング作業を大幅にカットできるようですね。
ポテトチップスのような食品だけでなく、プレパラートのような薄いガラスや、変形しやすい柔らかい素材など、「不定形・非定型なモノ」のハンドリングを劇的にシンプルにするこの技術。R&Dの現場における実験自動化において、低コストかつ即効性のあるブレイクスルーをもたらす画期的なソリューションだと感じました。
2. Sim2Realが加速させる、双腕ロボットとAIの融合
ロボットの知能化において、今回のトレンドの中心となっていたのが「仮想空間での学習を現実世界へ持ち込む」アプローチです。
- 仮想環境を活用したSim2Real実装
ある次世代ロボットの展示では、大手メーカーが提供する強力なシミュレーション環境上で強化学習させたAIモデルを、現実のロボットアームに適用(Sim2Real)するデモが行われていました。不定形なぬいぐるみをつまみ上げる動作など、AIが自律的に判断して動く滑らかさは圧巻です。 - VLA(Vision-Language-Action)モデルの社会実装
また別のブースでは、視覚と視覚的言語モデルを組み合わせたVLAモデルや強化学習を活用し、双腕ロボットが自律的に箱詰めなどのタスクを行う様子が公開されていました。シミュレーション空間で何万回もの試行錯誤を行ったAIの頭脳が、現実のハードウェアをこれほどまでにスムーズに制御できるようになっている事実に、技術の成熟を感じずにはいられません。


3. ロジスティクスと業務DXを変革する自律走行ロボットたち
工場や倉庫内の「運搬」や「巡回」という重労働も、AI搭載ロボットによって完全にスマート化されつつあります。
- 搬送工程を進化させる最新AMR
ある国内メーカーのブースでは、最大100kgの積載に対応した最新の自律走行搬送ロボット(AMR)が多数のコンテナを積んだ台車を牽引していました。単なるルート走行ではなく、周囲の環境を認識して柔軟に稼働する姿は、人手不足解消の強力な切り札です。 - ブースツアーを案内する業務DXロボット
会場では、AI搭載のアバターロボットが自律的に案内役を務める姿も見られ、人間とロボットが同じ空間で自然に協働する未来がすでに「現在進行形」であることを示していました。


まとめ:アプライドが支える「フィジカルAI」の実装とR&D市場創造
今回の展示会を視察して確信したのは、AIがテキストや画像を生成する段階から、「物理的な作業を実空間で自律的にこなす」段階へと完全にフェーズが移行したということです。
しかし、これらのロボットが現場で高度かつ自律的に動くためには、その頭脳となる強力な計算基盤が不可欠です。



アプライドでは、こうした「フィジカルAI」の社会実装や実験自動化を根底から支えるハードウェアおよびDXソリューションをトータルで提供しています。Sim2Realなどの高度なシミュレーション・デジタルツインを高速化するハイエンドなHPCをはじめ、リアルタイムな推論処理を可能にするAIサーバー、機密性の高い研究データを守りながら自律制御を支えるローカルLLMの構築など、お客様の用途と環境に合わせた最適な計算基盤をご提案いたします。
私たちが目指すのは、フィジカルAIやローカルLLMといった最先端テクノロジーを駆使し、企業の未知なる可能性を切り拓く「R&D市場創造」の実現です。
「すべての答えは現場にあり」。この言葉の通り、弊社はお客様の研究開発・製造の最前線に深く寄り添い、ハードウェアの選定からシステム構築まで伴走いたします。フィジカルAIを活用した次世代のR&D環境構築をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください!




