視覚と言語を統合し、行動を出力する次世代AI。膨大な画像トークンとKVキャッシュを処理するために不可欠な、大容量VRAM構成をご提案します。
これまでのAI(LLM)はテキストの処理が中心でしたが、VLM(Vision-Language Model)は「目」を持ち、映像を理解します。さらにVLA(Vision-Language-Action)へと進化することで、自ら状況を判断し「手足」を動かすことができるようになりました。ロボットや自動運転車が次にどう動くべきかを決定する、まさに「司令塔」としての役割を果たします。
カメラ映像や3Dセンサーのデータを取り込みます。
状況を把握し、最適な行動を計算
司令塔の計算結果を元に、アクチュエータ(手足やブレーキ)を直接制御します。
大規模言語モデル
テキストを入力とし、テキストを出力する。知識検索、文章生成に優れるが、物理世界の「視覚」情報を持たない。
視覚言語モデル
画像や動画とテキストを同時に理解。視覚情報に対する質問応答や、画像内の状況説明が可能になった「目を持つAI」。
視覚言語行動モデル
VLMの認識・推論能力をベースに、物理的な「行動(Action)」を直接出力。ロボティクスや自動運転のE2E制御の要。
従来の画像認識AIでは不可能だった、柔軟で高度な認識タスクが可能になりました。
大量に学習させた特定の傷や欠陥は見つけられるが、学習データに含まれていない「想定外の不良」は見逃してしまう。
AI自身が「きれいな状態」の概念を言語と視覚で理解しているため、事前に不良パターンを学習していなくても「不良らしいもの」をプロンプト指示のみで検出可能になりました。「表面の均一性を損なう傷や汚れを指摘して」と伝えるだけで機能し、「なぜ不良か」を自然言語で説明できます。
「今何の動作をしているか」を事前に教え込む必要があり、「走る」「倒れる」など学習済み動作しか認識できない。ルールの追加には再学習が必要。
映像の流れと文脈を理解。プロンプトで「刃物のようなものを持っている」「周囲を不自然に窺っている」などの指示を与えるだけで、学習なしで即座に不審行動や危険行動を検出・アラート発報が可能になります。
ロボティクス・自動運転だけでなく、汎用的なマルチモーダル解析において開発現場で注目される主要モデルの特徴です。
※ 表内の「推論」VRAMは、主にFP16/bf16精度での実運用・研究開発を想定した目安です。INT8やINT4へ量子化すればVRAM消費は半減〜1/4に抑えられますが、動画ストリーム処理や高解像度画像の連続入力時にはKVキャッシュが数GB〜数十GB単位で増大します。
※ 「学習(ファインチューニング)」には、モデルの重みだけでなく勾配やオプティマイザのステートを保持するため、推論時の3〜4倍以上のVRAM(48GB〜96GB〜)が必須となります。
| 分野 | モデル名 (最新版) | パラメータ数 | 特徴・概要 | 要求VRAM目安 (FP16/bf16) |
|---|---|---|---|---|
| ロボティクス | NVIDIA GR00T N1.7 (N2 Preview) |
約 3B ~ | 画像と自然言語の指示から連続的なロボット動作を生成。Cosmos World Foundation Modelとの統合により、合成データでの学習効率が劇的に向上。 | 推論: 12GB~ 学習: 48GB (RTX 6000級) 必須 |
| ロボティクス | Physical Intelligence π 0.7 (Pi 0.7 / Gemma 3基盤) |
数 B クラス | 2026年4月公開。Flow MatchingとVLMを統合。言語コーチングと視覚サブゴールを用い、未学習タスクや異なるロボットハードウェア間(Cross-embodiment)での汎化能力に優れた最新基盤。 | 推論: 24GB~ 学習: 80GB×複数 (H200推奨) |
| ロボティクス | OpenVLA v2 | 7B | オープンソース汎用VLAの代表格。Llama 3系などをバックボーンに採用し、ロボットの行動予測で高性能。コミュニティでのファインチューニング事例が多数。 | 推論: 16GB (FP16) 学習: 48GB ~ 96GB |
| ロボティクス | Google RT-X / Trajectory | 5B ~ 55B | Webデータとロボットデータを共同学習。2D軌跡(Trajectory)を視覚ヒントとして追加し、複雑な物理タスクの成功率を大幅に向上。 | 推論: 24GB ~ 120GB 学習: マルチノード必須 |
| 自動運転 | NVIDIA Alpamayo 2 Super | 34B | 2026年8月公開。レベル4ロボタクシー開発向けオープンモデル。最大7台のカメラ映像を同時に処理し、軌道予測と自然言語での推論過程(Reasoning Traces)を同時に出力可能。 | 推論: 80GB~ (複数カメラ時) 学習: 96GB×複数枚 必須 |
| 自動運転 | Turing DriveHeron (World Model統合版) |
非公開 (最適化) | 日本Turing社開発。E2E自動運転モデルに「世界モデル(World Model)」の概念を統合し、未来の状態予測能力を強化。車載環境向けに推論を最適化。 | 推論: ~24GB 学習: 96GB ~ 141GB (H200) |
| 汎用VLM | Llama 4 Vision (Scout / Maverick 等) |
8B ~ 400B+ | Metaの最新マルチモーダルモデル。Mixture-of-Experts (MoE)アーキテクチャを採用し、長大なコンテキストと高度な視覚推論を効率的に処理。 | 推論: 24GB(8B MoE FP16) 学習: 96GB ~ マルチGPU必須 |
| 汎用VLM | Qwen 3.8-VL (Alibaba) |
Flash / Max クラス | 長時間の動画理解や複雑なレイアウトの日本語OCR(文書理解)においてトップクラスの性能。KVキャッシュの消費が非常に激しい。 | 推論: 24GB ~ 80GB 学習: 96GB×複数 |
| 汎用VLM | LLaVA-OneVision-2 | 8B クラス ~ | 2026年4月公開。単一画像、複数画像、動画を統合処理。Codec-adaptive attentionを導入し、ネイティブ解像度を維持したまま空間・時間推論能力が劇的に向上。 | 推論: 16GB(8B FP16) ~ 学習: 48GB ~ 96GB |
| 汎用VLM | InternVL 3 | 8B ~ 78B | 医療画像や微細な欠陥検出など、4Kクラスの高解像度画像の解析に非常に強い。画像トークン数が膨大になるため大容量メモリ環境が必須。 | 推論: 24GB ~ 160GB 学習: 96GB×複数 |
VLM/VLAモデルにおいて「モデルのパラメータ数(2Bや7Bなど)」は氷山の一角に過ぎません。実際に動作(推論・学習)させる際、最もVRAMを食いつぶすのは「画像トークン」と「KVキャッシュ」です。
結論:量子化(INT4/INT8)でモデル本体のサイズを圧縮しても、画像・動画を処理する際のKVキャッシュは削減しきれません。実運用を見据えた開発やファインチューニングには、最低でも48GB〜96GB、本格的な学習には大容量VRAMを備えたハードウェア構成が強く推奨されます。
膨大な画像トークンとKVキャッシュの要件を満たす、大容量メモリ搭載・高帯域アーキテクチャモデル。
128GBの広大なユニファイドメモリを備えたデスクサイドAIスパコン。70Bクラスのモデル推論や、大容量メモリを活かした長時間の動画処理(巨大なKVキャッシュ保持)、ローカルRAG開発に最適です。
OpenVLAやPi 0.7など、数B〜10BクラスモデルのFP16ファインチューニング、高解像度画像を扱うVLMの開発において標準となる高性能WS。
自動運転(Alpamayo 2 Super等)の複数カメラ並列処理や、数十Bクラスの大規模VLAのフルスクラッチ・大規模学習を行うためのハイエンド基盤。
使用するモデル、取り扱う画像・映像のサイズ、バッチサイズをお知らせください。
KVキャッシュ消費量や推論要件を考慮し、最適なGPUとメモリ構成をお見積りいたします。