構造最適化プログラム「Amber」

計算化学ソフトウェア「AMBER」
- Amberは、カリフォルニア大学のコールマン教授らのグループによって生体分子のために開発された、モデリングおよび分子力学と動力学計算シミュレーションプログラムのパッケージです。 溶媒水分子の配置や電荷のフィッティングを行なうビルダーモジュールなどのプログラムが多数用意されています。また、NMRリファインメントを実行したり、解析ツールを用いて動力学計算のトラジェクトリー解析を行ったりできます。Amberは独自の有用性の高いパラメーターを持ち、近年このプログラムを用いた論文が多数報告されています。
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分子力学・動力学計算シミュレーション「Amber」推奨モデル
「Amber」動作推奨モデル
Ubuntu 18.04 LTS インストール代行
[2 基] インテル® Xeon® Silver 4214R プロセッサー(12 コア / 2.4GHz)
128GB(16GB x8)DDR4-2933 Registered-ECC
480GB 高耐久 SSD + 2TB 高耐久 HDD
NVIDIA® Quadro® P620 2GB-GDDR5(PCI Express Gen3(x16)
販売価格 850,630 円(税込)
※ 本製品には「AMBER」は含まれておりません。「AMBER」の価格については、営業担当までお問い合わせください。
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東日本:03-5280-9255
AMBERの主なプログラム
●sander
分子動力学計算を行うメインプログラムです。NMRのNOE測定から得られる距離拘束、ねじれ角拘束、化学シフトとNOESY強度などから得られるペナルティ関数を基にしたNMR構造の精密化が可能です。●pmemd
sanderの計算速度を大幅に改良したものです。並列化効率も大きく向上しています。 Amberに含まれており、Xeon PhiやGPUがサポートされています。●LEaP, parmed
基本的なモデルを構築し、動力学計算用の座標及びトポロジー入力ファイルを作成する機能を持ちます。簡単な分子エディターを内蔵し、新しい残基を作成・操作できます。●NAB/sff
分子構造を操作し、分子力場計算やDistance Geometryを基としたモデリングを行えます。一般化Born、ポアソンボルツマン、3D-RISM仮想溶媒モデルを扱えます。●antechamber
一般有機分子の力場パラメーターセットの作成プロセスを自動化します。通常、PDB形式の構造ファイルから始めて、LEaPで読み込めるファイルを作成します。出力されるパラメーターは、タンパク質や核酸用のものと同時に使用できるようにデザインされていますので、それらを組み合わせたシミュレーションが可能になります。●gem.pmemd
高度な力場を使用するためのツールです。●mdgx
主にパラメーターフィッティングにより、Amber分子動力学の限界を押し広げるためのプログラムです。カスタマイズ可能な仮想サイトと実溶媒MDも可能です。●MCPB
金属中心を含む力場を作成するために利用します。●cpptraj, pytraj
MDトラジェクトリーを解析し、様々な計算を行えます。基準構造からのRMS偏差の計算、水素結合の解析、時間相関関数、動径分布解析など多数の解析が行えます。●MMPBSA.py
MDトラジェクトリーの後処理を自動化するスクリプトで、連続体溶媒モデルでのエネルギー解析を行えます。エネルギーを別々の残基からのエネルギー断片に分解したり、コンフォメーション間の自由エネルギー差を見積れたりできます。
Amber22, AmberTools22の主な新機能(2022年4月)
■Amber22
〇ソフトコアポテンシャルを用いたアルケミカル自由エネルギー計算の拡張 〇ラムダスケジューリングオプションの拡張 〇SHAKE法を「TI」で使用する機能 〇REST2的レプリカ交換サンプリングの強化 〇Gaussian accelerated MD (PPI-GaMD) を用いたタンパク質間相互作用 〇セルフガイドランジュバン動力学法を、運動量と力の両方のガイド因子を用いるように修正し、Canonicalアンサンブルへの接続も行うようにした 〇Kernel Modified MDによる、学習設定に基づいた力場のオンザフライ更新が可能に 〇pmemdとmdgxでより多くのタイプの「extra points」をサポート。■AmberTools22
〇力場パラメーターの新規追加および更新 ・Lipid21:脂質用パラメーターのメジャーアップデート ・分極性水モデルOPC3-pol ・フッ素化アミノ酸の新しいパラメーター 〇Quick:Hartree-Fock および DFT 電子構造計算のためのプログラム。 GPUもサポート。Quick は QM/MM シミュレーション用にsander と統合されており、 AmberTools22 では大幅な性能向上、新しい構造最適化ルーチン、スピン非制限計算のサポートが含まれています。 〇3D-RISM:周期境界をサポートし、開境界の性能とスケーリングが改善されました。 〇cpptraj:GISTの改良、新しいクラスター解析、糖鎖をサポートした 「prepareforleap」スクリプトなどの変更 〇PyRESPプログラムは、additiveとpolariableの両方の力場に対するRESPフィッティングをサポートします。 〇Amber pGM分極力場用の新しい定圧プロトコルが追加されました。
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【NMRリファインメント】
・NMRのNOEやJ-カップリングの測定から得られる距離やねじれ角の情報を基に、シミュレーション中に拘束を加えた上で構造最適化や分子動力学計算を行うことができます。【QM/MM/MD】
・量子力学計算と分子力場計算を組み合わせたQM/MM法を、効率的に精度よく実行できます。内蔵のQM計算では、半経験的手法、ab-initio、DFTなどが利用できます。また、外部プログラム(Gaussian等)と組み合わせる事による、QM/MM計算も可能です。 -

【NEB (Nudged Elastic Band) 法】
・ポテンシャル・エネルギー表面上で、コンフォメーション変化の道筋を複数の構造でたどり、エネルギー変化の様子を見積もります。パス上の各構造間はポテンシャルで結ばれ、ある程度の距離を保つように設定されます。そのため、Elastic Band(ゴムバンド)法と名付けられています。-
【脂質二重膜】
・脂質のパラメーターを用いて、膜のシミュレーションを行う事が可能です。タンパク質のパラメーターを併用する事により、膜中にタンパク質が埋め込まれた構造もシミュレートできます。【アンブレラ・サンプリング】
・ある特定の反応座標に沿って複数の位置を定め、それぞれ別々にある狭い範囲内をサンプリングし最後に組み合わせる事によって、自由エネルギー変化の様子を求める手法です。遷移状態、中間体の探索などに有効です。 -

【定pHシミュレーション】
・溶媒のpHはタンパク質中の非中性側鎖に影響を及ぼし、タンパク質自体の機能や構造に大きな影響を与えます。この手法は、分子動力学とモンテカルロ法を組み合わせ、分子内の様々な側鎖のプロトン化の状態やコンフォメーションをサンプリングします。-
【MM-PBSA】
・分子力場とポアソン・ボルツマンあるいは一般化ボルン溶媒接触表面の手法を組み合わせ、2状態間の自由エネルギー差を求める手法です。レセプターとリガンドの結合自由エネルギーの算出等に用いられています。【TI (Thermodynamic Integration) 法】
・状態Aと状態Bの自由エネルギーをパラメーターλを使ってカップリングさせることにより、自由エネルギー差を算出する手法です。異なるリガンドがタンパク質に結合する際の結合自由エネルギー差を推算する際に用いられています。 -

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